「最初の人殺し」創世記四章

神はアべルの心を喜んだが、カインのささげ物はいらないと言われた。カインは弟を心の底からねたんだ。アベルの幸せそうな顔を見ると、ますます腹が立ち、なんとかしてアベルに仕返しをしてやろうと心に決めた。ある日、カインはアベルを誘って野原へ散歩に出かけた。心のどこかで、カインはアベルと仲直りをしたいとも思っていた。

けれども、のどかな田舎道を歩いていくうちに、突然憎しみでカッとなったカインは、何も知らないアベルに襲いかかり、ものすごい一撃で殺してしまった。それは一瞬のできごとだった。すばやくどこかへ立ち去ったカインの背に、神の呼びかけが聞こえた。「あなたの弟はどこにいるのか?」カインは何気ないようすで答えた。「さあ知りませんね。私は弟の番人ではありませんから」神はとても悲しそうに言われた。

「カインよ、おまえはなぜあんなに恐ろしいことをしたのか。弟の血の声が、土の中から私に叫んでいる。私はおまえに影を与える。この土地は、もうおまえのためにみごとな実を結んではくれない。おまえはこれから一生家もなく、さまようことになる」カインは苦しい叫びをあげた。「私への罰は重くてとても負いきれません。私のやったことを知れば、人は私を殺すでしょう」けれども神は「あなたを守ってあげよう。殺される心配はない」と言ってくださった。

カインは自分の農地、自分の家から出ていった。もっと悪いことに、カインは神からも離れていってしまった。カインはあまりにも高慢で、神の忠告をすなおに聞くことかできなかった。弟のアベルを愛し、仲よく暮らす道を選ばずに、アベルを憎み、自分の弟を殺す道を選んでしまったのだ。

— posted by 物部 at 01:15 am  

 

「憎しみが生まれる」創世記四章

エデンの園を追い出されたアダムとエバに二人の男の子が生まれた。子どもたちは成長して、兄のカインは農夫に、弟のアベルは羊飼いになった。ある日二人は、神にそなえ物をしようと思いたち、カインは自分の畑でとれたとうもろこしを、アベルは自分の飼っている小羊を神にささげた。

神は、それぞれのそなえ物と、二人の顔をじっと見つめられた。神は二人の心をごらんになったのだ。そして神は、アベルのささげ物を喜んでお受けになった。けれども、カインのそなえ物はお喜びにならない。カインは高慢で、自分中心の、冷たい心の人だったから、神はカインを受け入れてくださらなかったのだ。カインは怒って目をつり上げ、くるりと背を向けると、神の前から離れ去ろうとした。そのとき、神が言われた。

「カインよ、なぜそんなに怒るのか。もし正しいことをしたのなら、あなたは今、幸せなはずではないか。私もきっとあなたのささげ物を受け入れたと思う。しかし残念ながらそうではなかった。悪魔が今にもあなたに飛びかかり、あなたを打ち負かそうとしている。あなたはしっかり戦わなければいけない」カインは神の忠告に耳を傾けようともせず、神に受け入れられた弟アベルを憎んだ。

ウィル・スミスが監督デビュー カインとアベルの物語を映画化

競馬の母

— posted by 物部 at 01:07 am  

 

「楽園からの追放」創世記三章

神は、罪を犯した二人を、長い間悲しそうに見つめた。が、やがて、「なぜ隠れていたのか」とおたずねになった。

「裸なので、お会いするのがいやでした」アダムは小さな声で答えた。

「誰がそんなことを教えたのか。あなたは、善悪を知る木の実を食べたのだね」

「私のせいではありません。エバが食べろと言ったのです」

「私のせいでもありません。へびが私をだまして食べさせたのです」

アダムとエバは、それぞれ自分は悪くないと答えた。神は、二人が神にそむいたために、これからは美しい世界もこわされて、草花の中にも雑草やいばらが育ち、二人はそこで苦しみ疲れながら働くことになると話された。そればかりでなく、自分たちがやりたいと思ったことを、神に相談もせずにしてしまったことは、神から離れていく道を選んだことと同じなのだ。それでアダムとエバは、エデンの薗から出ていくように命じられた。

「これからは、自分かちの好きなように生きなさい。年をとったら、あなたたちは死ぬのです」と神はおっしやった。アダムとエバは、重い心で美しいエデンの園を出ていった。天使たちは、園の門を炎の剣で守ることになった。エデンの園には、もう二度と人間が入れないように思われた。

— posted by 物部 at 12:58 am  

 

「誘惑の木の実」創世記三章

アダムとエバエデンの園に住むアダムとエバは、とても幸せだった。二人の幸せをじゃまするものは何もないように思われた。ところがただ一人、神の造ったものを、めちゃくちゃにしようとたくらんでいる者がいた。それは神の敵、悪魔だった。園の中には、神の造ったいろいろな生き物がいる。中でも一番ずるがしこいへびが、ある日エバにそっとささやいた。「この園にあるおいしそうな木の実を、どれも食べてはいけないと、ほんとうに神はおっしゃったのですか」エバは答えた。


「いいえ。そんなことはありません。私たちが食べたいと思う木の実は、どれでも食べてよいことになっています。でも、あの真ん中にある木の実だけは別です。あれは食べてはいけません。あれを食べると死んでしまうと神はおっしやいました」それを聞いたへびは、特別やさしい声で言った。「そんなことはありません。神は、あなたたちがあの実を食べると、神のように賢くなるということを知っておられるのです。それで、食べてはいけないとおっしやったのですよ」

エバは、園の真ん中にある木をもう一度見なおした。木の実がいっぱいなっている。その色のきれいなこと。食べたらどんなにおいしいことだろう。それに、へびが言ったように、あの実を食べて、神のように賢くなれたら、こんなにすてきなことはないと思った。エバは思いきって、一番おいしそうな木の実を一つすぱやくつみとり。ひと口かじると、アダムにも「さあ、食べてごらんなさい」とさし出した。けれども二人は、賢くなったと思うどころか、恥ずかしくて、みじめな気持ちになった。二人は、自分たちを造ってくださった、賢くて、やさしい愛にあふれた神を裏切ってしまったのだ。

夕方になっても、二人は神に会うのをためらっていた。神の言葉にそむいたので、恥ずかしくてたまらない。二人は大きな葉で体を隠し、やぶの陰(かげ)にそっと隠れた。今までは、夕方になって、神がやさしく呼んでくださるのを楽しみに待っていたのに。でも今は、聞きなれた神の声が恐ろしくなってしまったのだ。とうとう神の声が聞こえた。「アダムよ、あなたはどこにいるのか」目を伏せて、二人はもうぜったいに会いたくないと思った神の前に、おそるおそる出ていった。

— posted by 物部 at 12:51 am  

 

「この世で一番すばらしいもの」創世記第一章~二章

神は、自分が造った大きな美しい世界を見て、とても喜ばれた。けれども、もっとすばらしいもの、この世で一番すばらしいものを造りたいと考えておられた。それは人間である。「人間を造ろう。そして人間には、考えたり、私のことを知ったり、愛したりできる心を与えよう。それから、この世界をきちんと治めていく責任も持たせよう」

こう思われた神は、まず男の人を造り、アダムと名づけた。アダムのまわりには、いっしょに生活をしたり遊んだりする、たくさんの動物がいた。それなのに、アダムはあまり楽しそうではない。そこで神は、アダムの妻となるように、エバという名の女の人を造られた。二人が話し合い、助け合い、愛し合えるようにしてくださったのだ。神はアダムとエバをとても愛し、二人が住むために、美しい園をくださった。

「二人で子どもを育て、この世界を守る手伝いをさせなさい。それから、この園にある私の造ったものは、すべてあなたたちのよい友だちです。けれども、園の真ん中にあるあの一本の木の実だけは、食べてはいけない。あれはよいことと、悪いこととを知る木です。あの木の実を食べると、あなたたちは死んでしまう」と神はおっしやった。

また「この世界を守っていくために、私の言うことをよく聞いて、そのとおりにしなさい」とも言われた。アダムとエバは、神の言葉に従ってエデンの園の番人となり、草や花、動物たちのそれぞれに名前をつけ、心をこめて世話をした。夕方涼しくなると、神はきまって二人のところにやってきて、二人が楽しそうに報告する一日のできごとを聞いてくださるのだった。

— posted by 物部 at 12:45 am