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善悪を知る木の実「楽園からの追放」創世記三章

神は、罪を犯した二人を、長い間悲しそうに見つめた。が、やがて、「なぜ隠れていたのか」とおたずねになった。

「裸なので、お会いするのがいやでした」アダムは小さな声で答えた。

「誰がそんなことを教えたのか。あなたは、善悪を知る木の実を食べたのだね」

「私のせいではありません。エバが食べろと言ったのです」

「私のせいでもありません。へびが私をだまして食べさせたのです」

アダムとエバは、それぞれ自分は悪くないと答えた。神は、二人が神にそむいたために、これからは美しい世界もこわされて、草花の中にも雑草やいばらが育ち、二人はそこで苦しみ疲れながら働くことになると話された。そればかりでなく、自分たちがやりたいと思ったことを、神に相談もせずにしてしまったことは、神から離れていく道を選んだことと同じなのだ。それでアダムとエバは、エデンの薗から出ていくように命じられた。

「これからは、自分かちの好きなように生きなさい。年をとったら、あなたたちは死ぬのです」と神はおっしやった。アダムとエバは、重い心で美しいエデンの園を出ていった。天使たちは、園の門を炎の剣で守ることになった。エデンの園には、もう二度と人間が入れないように思われた。

— posted by 物部 at 12:58 am  

 

「誘惑の木の実」創世記三章

アダムとエバエデンの園に住むアダムとエバは、とても幸せだった。二人の幸せをじゃまするものは何もないように思われた。ところがただ一人、神の造ったものを、めちゃくちゃにしようとたくらんでいる者がいた。それは神の敵、悪魔だった。園の中には、神の造ったいろいろな生き物がいる。中でも一番ずるがしこいへびが、ある日エバにそっとささやいた。「この園にあるおいしそうな木の実を、どれも食べてはいけないと、ほんとうに神はおっしゃったのですか」エバは答えた。


「いいえ。そんなことはありません。私たちが食べたいと思う木の実は、どれでも食べてよいことになっています。でも、あの真ん中にある木の実だけは別です。あれは食べてはいけません。あれを食べると死んでしまうと神はおっしやいました」それを聞いたへびは、特別やさしい声で言った。「そんなことはありません。神は、あなたたちがあの実を食べると、神のように賢くなるということを知っておられるのです。それで、食べてはいけないとおっしやったのですよ」

エバは、園の真ん中にある木をもう一度見なおした。木の実がいっぱいなっている。その色のきれいなこと。食べたらどんなにおいしいことだろう。それに、へびが言ったように、あの実を食べて、神のように賢くなれたら、こんなにすてきなことはないと思った。エバは思いきって、一番おいしそうな木の実を一つすぱやくつみとり。ひと口かじると、アダムにも「さあ、食べてごらんなさい」とさし出した。けれども二人は、賢くなったと思うどころか、恥ずかしくて、みじめな気持ちになった。二人は、自分たちを造ってくださった、賢くて、やさしい愛にあふれた神を裏切ってしまったのだ。

夕方になっても、二人は神に会うのをためらっていた。神の言葉にそむいたので、恥ずかしくてたまらない。二人は大きな葉で体を隠し、やぶの陰(かげ)にそっと隠れた。今までは、夕方になって、神がやさしく呼んでくださるのを楽しみに待っていたのに。でも今は、聞きなれた神の声が恐ろしくなってしまったのだ。とうとう神の声が聞こえた。「アダムよ、あなたはどこにいるのか」目を伏せて、二人はもうぜったいに会いたくないと思った神の前に、おそるおそる出ていった。

— posted by 物部 at 12:51 am